ピカチュウの分類は「ねずみポケモン」。では、全1025匹の分類欄を全部並べたら、いちばん多い動物は何になるのでしょう。動物の族ごとにまとめてランキングにしたら、思っていたのと違う順位表ができました。
ポケモンの図鑑には、名前の下に1行だけ「分類」が書かれています。「ねずみポケモン」「こうらポケモン」「たねポケモン」。説明文とは別に、一匹につき一個、肩書きが入る欄です。この1行を1025匹ぶん集めて、全部並べてみました。
パラドックスポケモン22匹を除く
分類欄のバリエーション
その正体はランキングの最後で
1025匹ぜんぶの分類欄を並べてみた
1025匹の分類欄を並べたとき、最初に気づくのはその整い方です。全員の分類が、例外なく「〜ポケモン」の形をしています。
ただし、この集計では22匹だけ数えから外しています。第9世代のパラドックスポケモンは、1匹ずつの肩書きではなく「パラドックスポケモン」というグループ名を22匹まとめて名乗っているためです。集計対象は、残りの1003匹です。
一方で中身を見ると、使われている分類は715種類ありました。重複を丁寧に数え直すと、誰かと同じ肩書きを名乗るポケモンは486匹。ほぼ半々で、残り半分の517匹は、誰も使っていない自分専用の肩書きです。
とはいえ被りにも濃淡があります。同じ分類を名乗る匹数で並べると、こうなりました。
| 同じ分類を名乗る匹数 | 分類欄 | メンバー |
|---|---|---|
| 8匹 | ねずみポケモン | コラッタ、ラッタ、ピカチュウ、ライチュウ、サンド、サンドパン、パモ、パモット |
| 8匹 | ドラゴンポケモン | タッツー、シードラ、ミニリュウ、ハクリュー、カイリュー、キングドラ、ボーマンダ、ヌメルゴン |
| 6匹 | どくばりポケモン | ニドラン♀、ニドラン♂、ニドリーナ、ニドリーノ、ベベノム、アーゴヨン |
| 6匹 | きのこポケモン | パラス、パラセクト、キノココ、キノガッサ、タマゲタケ、モロバレル |
| 5匹 | ふうせんポケモン | プリン、プクリン、ププリン、ハリーセン、フワンテ |
| 5匹 | こいぬポケモン | ガーディ、ヨーテリー、イワンコ、ワンパチ、パピモッチ |
| 5匹 | かせきポケモン | プテラ、パッチラゴン、パッチルドン、ウオノラゴン、ウオチルドン |
表の上位に並ぶのは、8匹ずつの「ねずみポケモン」と「ドラゴンポケモン」でした。ねずみの8匹はピカチュウをふくむ初代からの顔ぶれで、動物ランキングの4位で改めて出てきます。ドラゴンのほうは、タッツーとヌメルゴンでは見た目がまったく違うのに、8匹そろって「ドラゴンポケモン」を名乗っています。
集計のルール
2026年8月時点の全国図鑑1025匹のうち、22匹がまとめて名乗っているグループ名「パラドックスポケモン」を除いた1003匹の日本語分類を、1匹につき1票で数えています。分類はゲームの世代によって文言が変わることがありますが、本記事では現行の代表的な日本語表記を使いました。動物の族づけでは、「きつね」と「キツネ」のような書き方の違いや、「こいぬ」と「いぬ」のような語の違いを、族ごとにまとめて数えています。
では、動物は何位なのか。ここからは、分類を動物の族ごとにまとめ直したランキングを、下位から1位まで、1つずつ発表していく。「ことりポケモン」「あひるポケモン」「ペンギンポケモン」は全部とりの仲間として1つに数え、「こいぬポケモン」も「おばけいぬポケモン」もいぬの族に数えます。
カエル・いぬ・さる・ねこ・きつね9匹の同率が5族。いちばん混んでいる順位
9匹ちょうどの族が5つ並びました。顔ぶれは、こうです。
| 族 | 使われている呼び名 | メンバー |
|---|---|---|
| カエル | おたま・かえる・あわがえる・でんきおたま・でんきがえる | ニョロモ、ニョロゾ、ニョロボン、ニョロトノ、オタマロ、ケロマツ、ゲコガシラ、ズピカ、ハラバリー |
| いぬ | こいぬ・いぬ・おばけいぬ | ガーディ、ヨーテリー、イワンコ、ワンパチ、パピモッチ、パルスワン、バウッツェル、ボチ、ハカドッグ |
| さる | ぶたざる・こざる・くさざる・とげざる・わるざる・どくざる・ふんどざる | マンキー、オコリザル、ヒコザル、サルノリ、ヤナップ、ヤナッキー、ザルード、タギングル、コノヨザル |
| ねこ | ばけねこ・うみねこ・こねこ・ねこかぶり・とらねこ・ひねこ・くさねこ | ニャース、キャモメ、エネコ、ニャルマー、ブニャット、ニャビー、ニャヒート、ニャオハ、ニャローテ |
| きつね | きつね・キツネ・わるぎつね・ばけぎつね | ロコン、キュウコン、クスネ、フォクスライ、ゾロア、ゾロアーク、フォッコ、テールナー、マフォクシー |
ねこの族には、鳥のキャモメが「うみねこ」で入っています(現実のウミネコは、鳴き声が猫に似ることから「海猫」と書くカモメです)。さるの族の「ふんどざる」はコノヨザル。「カエル」の族には、おたまじゃくしの時期を名乗るニョロモが含まれていて、成長の途中経過まで分類になっています。
そして、この5族の中できつねだけは、集計の途中で妙なことが分かりました。分類欄には、同じ狐なのに書き方が違うペアが存在したのです。
ひらがな・4匹
ロコン、キュウコン、クスネ、フォクスライ
カタカナ・3匹
フォッコ、テールナー、マフォクシー
ひらがなの「きつね」は初代からのポケモン。カタカナの「キツネ」は、フォッコ御三家の3匹だけです。同じ狐でも、登場した世代によって表記が変わっています。もう1組は「きょだい」と「キョダイ」。レジギガスが「きょだいポケモン」、ムゲンダイナが「キョダイポケモン」で、こちらは読みも似ているので、より分かりにくいペアです。
数値の上では「きつね9匹・ねこ9匹・さる9匹」のような同率が並びましたが、その内側では、このような書き分けが残っていました。30年ぶんの図鑑を作っていれば、編集のルールが揺れる箇所がどこかに出る。それが2組だけ、分類欄にそのまま残っている形です。
へび呼び名は7種類。ぜんぶ「〜へび」で整っている
10匹の内訳は、こうなっています。アーボ「へび」、イワーク「いわへび」、ノコッチとノココッチ「つちへび」、ハガネール「てつへび」、ハブネーク「キバへび」、ツタージャとジャノビー「くさへび」、スナヘビとサダイジャ「すなへび」。岩も鉄も砂も、材質違いのへびが7種類の呼び名で並んでいます。
ただし、「へび」をそのまま名乗るのは初代アーボの1匹だけです。進化したアーボックは「コブラポケモン」になるので、へびのまま進化を終える系統はありません。へび族は、たくさんいるのに、素の呼び名が1匹しかいない族でもあります。
ねずみピカチュウの族は、この順位で止まる
13匹の中身を並べます。まずは看板の1匹から。
ねずみポケモン
ピカチュウ
ピカチュウをふくむ8匹が、そのまま「ねずみポケモン」。コラッタ、ラッタ、ライチュウ、サンド、サンドパン、パモ、パモットです。初代と第9世代の両方に、同じ「ねずみポケモン」がいることになります。
そして残り5匹は、語の頭に何かを足した分類欄でした。
まるねずみポケモン
ビッパ
みずねずみポケモン
マリル
ビッパは「まるねずみ」、マリルは「みずねずみ」。ほかにも、ピチューは「こねずみ」、ヒノアラシは「ひねずみ」、シルシュルーは「どくねずみ」を名乗っています。
どくねずみポケモン
シルシュルー
ネズミの系統がこれだけそろうのは、他に例がありません。サンドがねずみなのは、意外と知られていません。しかも「ねずみポケモン」そのものは初代のコラッタだけでなく、第9世代のパモとパモットも名乗っていて、初代と最新が同じ肩書きを共用している状態です。
魚呼び名は11種類。陸に上がっても「ぬまうお」のまま
20匹を11種類の呼び名で分けています。もっとも多いのは3匹ずつの「ぬまうお」(ミズゴロウ、ヌマクロー、ラグラージ)と「でんきうお」(シビシラス、シビビール、シビルドン)。陸上生活を送るラグラージも、分類欄では進化前と同じ「ぬまうお」のままです。
逆に、いちばん素直なのがコイキングとヒンバスで、ふたりともただの「さかなポケモン」。ほかにも「みずうお」のウパー、「ひげうお」のナマズン、「あなご」のウミディグダ、「とげうお」のドオーなど、水辺の肩書きが細かく分かれて並んでいます。
むし呼び名は14種類。ストライクは「かまきり」で計上
25匹のいちばん多い呼び名は、4匹の「みのむし」(クヌギダマ、フォレトス、ミノムッチ、ミノマダム)。松かさの見た目のクヌギダマも、鉱物の見た目のフォレトスも、分類欄ではみのむしです。
そのほか、剣士の見た目のストライクは「かまきり」、ハチの巣のビークインは「はちのす」、アリの形でもアイアントは「てつアリ」と、むしの仲間でも個性派の呼び名が並びます。「バッタ」のマメバッタとエクスレッグは、第9世代で加わったばかりの呼び名です。
とり呼び名22種。2位に10匹差をつけての独走
というわけで、1位はとり、35匹。2位のむしに10匹差をつけました。
とりが多い理由のひとつは、呼び名の種類の多さです。とりの族は「ことり」から「ダチョウ」まで22種類の呼び名に分かれていて、いちばん多い「ことりポケモン」でも4匹(ポッポ、オニスズメ、ネイティ、ココガラ)しかいません。つまり図鑑側は、鳥だけは種類ごとに細かく分類を書き分けていることになります。
ペンギンポケモン
ポッチャマ
たとえばペンギンは、ポッチャマ、ポッタイシ、コオリッポの3匹がそろって「ペンギンポケモン」。「あひる」のコダック、「ふくろう」のホーホー、「カラス」のアオガラスと、鳥の名前は細かく分けて呼ばれています。この「書き分け」が35匹という数字を積み上げました。
動物で一番という結果には、族ごとにまとめるという集計のくふうが入っています。まとめ方を変えれば、同じ図鑑から別の順位表が生まれます。
ランキングはここまで。ここからは、集計の途中で見つかった「動物」と「分類」のズレを、3つ順番に並べていきます。
進化すると、動物の名前が消える
分類欄は基本的に進化前後でそろっています。ホーホーの「ふくろうポケモン」はヨルノズクまで続き、マンキー「ぶたざるポケモン」はオコリザルになってもぶたざるのまま。ゼニガメ「かめのこ」→カメール「かめ」もカメです。ただし、すべてがそうではありません。進化の前後で、動物の名前そのものが書き換わるケースがいくつも見つかります。
ひよこポケモン
アチャモ
- 水あめマリル「みずねずみポケモン」→ マリルリ「みずうさぎポケモン」(ねずみからうさぎになる)
- ひな鳥ワシボン「ヒナわしポケモン」→ ウォーグル「ゆうもうポケモン」(わしではなくなる)
- 子グマヒメグマ「こぐまポケモン」→ リングマ「とうみんポケモン」(クマではなくなる)
- ひよこアチャモ「ひよこポケモン」→ ワカシャモ「わかどりポケモン」→ バシャーモ「もうかポケモン」(3段階で鳥が消える)
- わたチルット「わたどりポケモン」→ チルタリス「ハミングポケモン」(こちらも鳥が消える)
- 子犬イワンコ「こいぬポケモン」→ ルガルガン「オオカミポケモン」(犬からオオカミへ)
- いのぶたウリムー「いのぶたポケモン」→ マンムー「2ほんキバポケモン」(ぶたではなくなる)
- さばくワニワルビル「さばくワニポケモン」→ ワルビアル「いかくポケモン」(ワニではなくなる)
- 増えるドードー「ふたごどりポケモン」→ ドードリオ「みつごどりポケモン」(頭が増えると分類も増える)
共通するのは、進化の終点で動物の名前から、動物ではない何かへ書き換わっていることです。「もうか」「ゆうもう」「とうみん」「ハミング」。最終進化形のポケモンは、実在の動物の呼び名ではなく、自分の能力や状態を表す言葉で呼ばれるようになる。図鑑の分類欄は、ポケモンの成長をそのまま追いかけているわけです。ドードーだけは逆で、ふたごからみつごへ、分類欄の上でも頭を増やしていました。
トラもライオンもサメも、分類欄にはいない
多い動物を数えたので、反対に「いない動物」も確認しました。
分類欄に、トラ・ライオン・ゾウ・サメ・イルカ・カンガルー・コアラの名前は一度も登場しません。ただし、そこはポケモンですから、存在しないわけではありません。名前が分類欄のどこにも現れないだけで、対応するポケモンは別の呼び名で図鑑に載っています。
おやこポケモン
ガルーラ(カンガルーは名乗っていない)
ふんしゃポケモン
オクタン(タコでもイカでもない)
いかずちポケモン
ライコウ(イカは入っていない)
ガルーラは「おやこ」。オクタンは「ふんしゃ」。ライコウは「いかずち」で、よーく見ると「いか」という文字が入っていますが、雷鳴のほうです。見た目のモチーフと分類欄が一致しないケースはほかにもあって、「ひょう」の字を含む分類欄6種はすべて氷の話でした(「ひょうざん」の氷山、「じゅひょう」の樹氷など。豹はゼロ)。「ぞう」を含む分類欄も6種ありますが、中身は「そうぞう(創造)」や「どうぞう(銅像)」で、やはり象はゼロです。コイ(鯉)もいません。コイキングの分類は「さかなポケモン」で、名前の「コイ」は分類欄に現れません。
動物の名前を持たない分類欄を拾ってみると
「いない動物」を探す過程で、動物とまったく関係のない分類欄が山ほど出てきました。職業っぽいものでは、マシマシラ、イイネイヌ、キチキギスの「けらいポケモン」、ザシアンとザマゼンタの「つわものポケモン」、マスカーニャの「マジシャンポケモン」。物騒なものでは、カラカラの「こどくポケモン」、ミカルゲの「ふういんポケモン」、ミミッキュの「ばけのかわポケモン」。
どれも動物の名前ではありませんが、1行で役割がはっきり伝わってきます。分類欄は動物図鑑の索引というより、キャラの肩書きを入れる欄として育ってきたのかもしれません。
分類欄の8割は、動物ではなかった
では、いったいどのくらいのポケモンが動物の名前を名乗っていないのか。集計の結果がこちらです。
全体の21%
全体の79%
ときの族の数
1003匹のうち、動物の名前を分類欄に含むのは215匹、全体の21%だけでした。残りの788匹の分類欄は、物や概念、食べ物、職業、怪異です。
どんな分類欄があるのか、いくつか拾ってみます。
| 系統 | 分類欄の例 |
|---|---|
| 神様級の役割 | ディアルガ「じかんポケモン」/パルキア「くうかんポケモン」/グラードン「たいりくポケモン」/モモワロウ「しはいポケモン」 |
| 食べ物 | カミッチュ「りんごあめポケモン」/チャデス・ヤバソチャ「まっちゃポケモン」/マホミル・マホイップ「クリームポケモン」/ミニーブ・オリーニョ・オリーヴァ「オリーブポケモン」 |
| 物 | ビリリダマ・マルマイン「ボールポケモン」/ギアル系「はぐるまポケモン」/ポリゴン系「バーチャルポケモン」/タンドン系「せきたんポケモン」 |
| 感情・性格 | ソーナンス「がまんポケモン」/ヤドン「まぬけポケモン」/エレズン「あかごポケモン」/キルリア・エムリット・イエッサン「かんじょうポケモン」 |
神様側の代表と、食べ物側の代表は、こう書かれています。
じかんポケモン
ディアルガ
りんごあめポケモン
カミッチュ
時間を司る神様の肩書きは「じかん」の一語。それに対して、りんごあめは、そのまま肩書きになります。全体を通しで読むと、図鑑の分類欄は動物の分類学ではなく、ポケモンそれぞれに一言でコメントを付ける欄として運用されてきたことが分かります。
時代の変化も見えます。初代の151匹で使われていた分類は96種類で、専用の肩書きを持つポケモンは57匹と4割弱。「ねずみ」「ことり」「たね」のような、まとめて名乗れる分類が多かったんです。それが第5世代の156匹では分類が136種類に増え、専用の肩書きを持つポケモンは119匹、4匹のうち3匹まで個別化します。ところが最新の第9世代は98匹に対して72種類、専用の肩書きを持つポケモンは51匹まで下がりました。「けらいポケモン」3匹や「さいやくポケモン」4匹のような、グループごとにまとめて肩書きを発行するスタイルが戻ってきたためです。分類欄の付け方は、長らく「1匹ずつ丁寧に」へ向かい、いまは再び「グループでまとめて」が混ざり始めたところです。
結論
1003匹ぶんの分類欄を全部数えて、動物の族ごとにまとめたら、一番多い動物はとり(35匹)でした。ねずみは13匹で4位。そして分類欄の79%は、もともと動物の名前ではありませんでした。いちばん使われた「分類」は、8匹ずつの「ねずみポケモン」と「ドラゴンポケモン」でした。
- 分類欄は1025匹すべてにあり、全員が「〜ポケモン」の形。全期間を通じて例外ゼロ
- 使われた分類は715種類。半数のポケモンは、誰とも被らない専用の肩書きを持っている
- 動物で一番多いのはとり(35匹・呼び名22種)。むし25匹・魚20匹が続く。ねずみは13匹で4位
- 進化の終点で動物の名前が消える系統がある(バシャーモ=もうか、リングマ=とうみん 等)
- トラ・ライオン・ゾウ・サメ等は分類欄に登場ゼロ。ガルーラは「おやこ」、オクタンは「ふんしゃ」
気になるポケモンの分類欄を、ぜひ自分の図鑑でも確認してみてください。図鑑説明をクイズで楽しみたい人にはポケモン図鑑説明クイズ。図鑑の説明文を全部数えた図鑑説明文の研究と、タイプの配布を数えたタイプ人口統計も同じく全数集計ものです。
今回は2026年8月時点の1003匹で数えましたが、新しいポケモンが増えるたびに、このランキングも少しずつ動いていきます。次に数えるときは、順位がどう変わっているか確かめます。